トピックス

秋田高専共同教育事業

2012年3月1日

秋田高専の”人ネットワーク”と地域イノベーションを皆様の力で実現を!

 1.はじめに

秋田高専では、“ひとづくり・しごとづくり”を重視した、新しい産学連携のしくみづくりを開始しました。県外の人材や技術という資産を県内に導入するためのネットワークづくりです。従来の地域連携に加え、秋田高専OBがこれまで培ってきたキャリアや専門技術を、秋田の教育と産業に還元させます。これにより地域に不足している人材、技術の供給拠点として、秋田高専は雇用創出によるイノベーション創生の観点で地域のみなさんのお役に立ちたいと思います。

これのために、秋田高専は、産学協力会会員企業をはじめとした県内企業、秋田県庁、公設試のほか、あきた企業活性化センター秋田県ふるさと定住機構との連携により、ご協力・ご支援をいただいて、地域の人的ネットワーク(“人ネットワーク”)形成を推進しております。ネットワーク形成には、地域共同テクノセンターに新たに“教育コーディネーター”を配置して、産学官民のみなさんのニーズとシーズをつないでいきます。

本事業は、「教育コーディネーターによる人ネットワーク形成-高専卒業生を活用した地域産業の活性化-」なる名称で、国立高等専門学校機構「企業技術者等活用プログラム(平成25年度)」からの予算措置によりスタートしました。(本事業のリーフレット(26年度版25年度版)をご参照ください。)本事業はまた、ICT(インターネットコミュニケーション技術)も積極的に活用し、オープンデータポリシーに基づいた“ビッグデータ”の分析手法(長岡技術大学との共同研究)も取り入れることも、特色としています。

以上の秋田高専の新しい産学連携のしくみを“共同教育”と呼び、秋田を活性化するしくみづくり (図1)に邁進していきます。

 

図1 共同教育による地域連携の概念図。県内外の技術と人材のネットワークが構築されると、地域のみなさんに加え秋田高専OBの力によって、地域の“ひとづくり・しごとづくり”のしくみが、形成されます。

2.秋田高専の“共同教育”のねらいと効果

地域が連携した共同教育活動によって、“人ネットワーク”に地域と県外のニーズ・シーズが地域に集積されます。その方法は、従来からのコーディネーターによる企業訪問に加え、

(i)県内外にて共同教育研究会を開催することで“人ネットワーク”への参加企業、技術者を拡大
(ii)“ひとづくり・しごとづくり”の観点での、教育コーディネーターによる県内外のニーズ・シーズを収集活動
(iii) ICTを駆使したWeb上からのニーズ・シーズの電子収集

となります。あつまったビッグデータを分析することで、“人ネットワーク”においてその一部をオープンデータとして公開することで、皆さんに活用していただきます。これによって、

①秋田高専OBをはじめとした県外技術者が地域にUターンする契機の促進
②県外技術者による秋田高専学生や地域の若手技術者への教育活動の促進

が期待できます。これにより、秋田高専を介して県内企業と県外技術者との交流が促進され、共同教育を契機に

③Uターンする技術者の出現
④より質保証された人材を地域に輩出

という波及効果が生まれます。これは、地域の教育力と産業力が一体化することではじめて達成されるシナリオです。地域に不足する人材と技術の資産を本事業によって補てんするという、地方創生のモデルを構築します。

 

図2 共同教育による、県外から県内への技術・ひと・情報の流れの模式図。共同教育によって形成される“人ネットワーク”は、秋田へのさまざまな情報と人の持続的な流れを創出します。

3.県内外のみなさんにご参加いただくイベント・活動

“人ネットワーク”にビッグデータを集約するためにも、共同教育研究会を4回/年、秋田と東京で交互開催しています。県内外の産学官からの参加に加え、今後は、地域のみなさんからの参加に拡大して、地域活性化策についてディスカッションをしていきます。“人ネットワーク”のメンバーが中心となって、

Ⅰ 共同教育講演会   秋田高専の在学生および地域の若手技術者に対して、企業技術者ならでの、キャリア、人間力、分野横断解決能力等を、惜しみなく、伝承していただきます。学生の実情など教育現場の課題を、企業からの視点を導入することでの着地点の探索と、その教育効果を促進し、地域の若手技術者もが活用できる、教育教材の製作をおこないます。教材は、Web上でオープンデータとして公開します。

Ⅱ 研修会・ICT活用研修会   県内の若手技術者や学生を対象とします。地域に不足する専門/基盤技術に対して、県外技術者によって地域に還元するための技術研修会を企画しています。これは、県内外の技術協力や共同研究・開発の契機、または、地域への人や技術の移転の契機となるような接続を視野としています。

Ⅲ 学生参加型共同研究   秋田高専研究室の学生、専攻科生の研究テーマを、企業の基礎研究、次世代のイノベーションに接続するためのテーマとして、実践します。秋田高専や公設試の研究設備を活用しながら、地域に貢献できる技術者の育成に、県内企業のご協力で実現します。地域が一体となって共同教育された学生や地域の若手技術者が、将来、地域のコンソーシアムの中核となり地域を活性化することを視野とします。

4.教育コーディネーターからのおねがい 

平成25年度半年間で、教育コーディネーターによる、県内企業への訪問件数34社中、ほとんどの企業で若手技術者不足の状況があり、うち26社がAターン採用を積極的に推進したいことがわかりました。県内企業に在職のOBを中心に講師として、共同教育講演を企画したところ、普段の授業では得られにくい、企業視線、学校から社会への接続という観点での学生への教育効果の高いことがわかりました。

秋田県の若手人口の減少、これによる産業衰退構造に、“人づくり”の観点から、産学官が一体となって、産業と教育を融合した科学技術システムを共創していきます。これには、短期的にも、長期的にも、地域の皆様、また、秋田高専OBの皆様のご協力が是非とも継続的に必要です。秋田県が再び元気を取り戻すよう、皆様のアイデアも結集して、情報マイニングすることで、問題点、着地点の洗い出しをすることを今後積極的に導入していきたいと考えております。今後の皆様のご協力と、ご指導をなにとぞよろしくお願い申し上げます。

 

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