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2015年7月2日
秋田高専では、 学内の本科学生 ( 5 年生を除く 646 名 ) を対象に、卒業後の進路について、アンケート調査 ( 平成 27 年 6 月実施 ) を行いました。
本アンケート結果に対する皆さまのご意見をこちらからお聞かせください。
● 将来就職する際、所在地は県内と県外のどちらを希望するか (図1)
図1 在校生が希望する就職地
図1⇒県内就職を希望する学生は、対象学生の 18.8 %(値 A)、県内でも県外でもよいを含めると 56.2 %(値 B)という結果となります。値 A は、1 年生から 3 年生まで 19 ~20 %でほぼ横ばいですが、インターンシップの選定を開始した 4 年生では 16.2 %と減少に転じて います。 県内企業等へインターンシップへ行く学生が少ないことと関係していると考えます。
● 県外就職を希望する学生のうち、秋田に U ターンすることを希望するか (図2)
図2 県外就職希望者が A ターン(Uターンによる定住)する可能性
図2⇒県外にはじめて就職を希望する学生の中で、20-30 歳代でUターンしたい学生は 5.8 %、40-60 年代にUターンしたい学生は 14.5 %、U ターンを考えていない学生は 22.8 %となりました。在校生にとっては、Aターンに対する意識はまだまだ薄いと考えられます。
● 就職先を県外に希望する学生のうち、将来、秋田で起業や地域貢献することを希望するか(図 3 )
図3 県外就職希望者の中で起業等の地域貢献に対する意識
図3⇒県外就職を希望する学生のうち、26.4 % は何らかの形で地域貢献したいと回答しています。学生は、秋田県のことをあまり良く知りません。このため、起業、地域貢献という単語を具体的にイメージ出来ないのが現状です。このあたりをヒントにして、学生の意識をかえていく教育プログラムが必要と考えます。
● 就職先選択の理由はなにか(図 4 -図 9 )
学生の就職先選定のファクタを分析しました。学生全体(図4)、県外就職希望者(図5)、県内就職希望者(図6)、Aターン希望者(図7)、地域貢献に関心の強い県内就職希望者(図8)、地域貢献に関心が強い県外就職希望者(図9)の、それぞれの結果を示します。いずれも、複数回答を可とした結果です。
図4 就職先選定のファクタ(複数回答の票数) (上位 6 つ)。賃金・待遇、職種、業種、所在地、憧れていた企業、企業規模の順となりました。
図5 県外就職希望者のもっとも重視する選定のファクタ (上位 4 つ)。賃金・待遇、職種、業種、憧れていた企業の順となりました。
図6 県内就職希望者のもっとも重視する選定 のファクタ (上位 4 つ)。賃金・待遇、職種、業種、所在地の順となりました。
図7 定 年までにUターンを希望する者の選定のファクタ (上位 4 つ)。職種、賃金・待遇、業種、所在地の順となりました。
図8 地域貢献したい県内就職希望者の選定のファクタ (上位 4 つ)。職種、賃金・待遇、業種、所在地の順となりました。
図9 地域貢献したい県外就職希望者の選定の ファクタ (上位 4 つ)。賃金・待遇、職種、憧れていた企業、業種の順となりました。
● データからいえる今後の展望
今回収集したデータから以下のことがわかりました。秋田高専に入学する学生の 60 %程度は、地域への定着を意識しています。この数値は在学中も大きく変化しません。リーマン・ショック後、県内企業の業績は悪化し、求人数も激減したことは確かです。しかしながら、景気の回復とともに、県内企業の業績も好調を維持し、人材不足であるのが現状です。首都圏等、県外でも、状況は同様です。このため、絶対数では、進学や就職のため県外へ流出する人材が多くなりますが、このうち 26.4 % が起業等の何らかの地域貢献をしたいと考えています。また、Aターンしたいと考えている学生は、賃金・待遇よりも職種を重視しています。
したがって、このような将来有望な人材を、新卒として地域に定着させる、あるいは、首都圏等の企業で身につけたスキルをAターンによって開花させることを可能とする、地域理解、課題発見/解決、地域貢献等の地域志向性をいくむ教育プログラムの導入、これを企業との共同教育によって実現するのが、地方創生への近道と考えます。
本アンケート結果に対する皆さまのご意見をこちらからお聞かせください。