セルロースナノファイバーの表面修飾による高機能化
近年,セルロースナノファイバー(CNF)という新しい天然材料が注目を集めている。CNFは天然高分子の一つであるセルロース分子鎖が高い結晶化度をもって数十本あつまることで構成されており,直径4 nm~100 nmかつ100以上の高アスペクト比を持つ非常に細長いファイバー構造を有している。さらに非常に軽く引張強度も高いという性質からPPやPEなどの汎用ポリマーへの複合化,およびガスバリアフィルムなどへの応用が期待されている。しかしながら,CNFはファイバー表面に無数の水酸基(OH基)を持つ親水性材料であるため,その応用の幅を広げるには表面修飾による疎水化などの改質が必要となる。また,CNF自身に特定の機能を持たせる際にも,表面OH基を足掛かりとした機能分子の導入が重要となる。したがって,CNFの活用には表面OH基に対する修飾反応の開発が欠かせない技術といえる。現在,CNFの簡便で高付加価値な表面修飾反応の開発と機能導入に関する研究を行っている。
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