耐候性鋼橋梁の腐食環境と腐食評価

顔写真

氏名
中嶋 龍一朗/ NAKAJIMA Ryuichiro
E-mail
nakajima@akita-nct.ac.jp
職名
助教
学位
博士(工学)
所属学会・協会
土木学会
キーワード
構造力学、鋼構造、維持管理工学、耐候性鋼材
技術相談
提供可能技術
・橋梁を対象とした構造解析の分野
・耐候性鋼橋梁の適用性判定

研究内容

耐候性鋼橋梁の腐食予測に関する研究

 耐候性鋼材とは,緻密なさび層により腐食因子の透過を防ぎ,さびの進展を抑制するという特徴を持つことから,架設橋梁全体の鋼重に対する割合は20%ほどを占める.

 この耐候性鋼材を適用可能な環境の指標として,年平均飛来塩分量による規定や,鋼材曝露試験片による現地曝露試験による腐食減耗量の規定が示されている.桁内の複雑な腐食環境は橋梁が架設されるまで観測することができない.

 このため,図-1に示すように既存の桁内に複数の調査器具を取り付けることにより,桁内の飛来塩分量,腐食減耗量の関係について,調査を行なっている.写真-1に,実際の取り付け状況を示す.

 秋田県由利本荘市における複数の既設の橋梁を対象に,耐候性鋼材の腐食環境についての調査を実施した.その結果,図-2に示すように,飛来塩分量は観測した月毎に結果が変動し,冬季は増加,夏季は減少傾向にあることがわかった.これは,日本海側から吹く季節風の影響と考えられる.

 また,図-3に示すように,離岸距離と桁内の飛来塩分量の関係についても,ある程度の相関がみられた.離岸距離が長くなるほど,飛来塩分量が減少する.しかし,桁内に付着する飛来塩分量は,橋軸,桁高,周辺環境にも影響を受けることが考えられる.このため,桁内付着塩分量を予測する際には,他のパラメータを導入することで,より現地の環境に近い値を得られるものと考えられる.

提供可能な設備・機器

名称・型番(メーカー)
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