高効率高品質電力供給システムの開発と応用

顔写真

氏名
安東 至/ ANDO Itaru
E-mail
i-ando@akita-nct.ac.jp
職名
教授
学位
博士(工学)
所属学会・協会
電気学会,計測自動制御学会,IEEE
キーワード
高効率,電力変換器,インバータ,UPS,チョッパ
技術相談
提供可能技術
・コンバータ/インバータ
・UPS(無停電電源装置)
・チョッパ

研究内容

 コンバータ/インバータに代表される半導体電力変換器による高効率高品質電力供給システムの開発とその応用に関する研究を行っている。一般的なブリッジ形電力変換器の高効率制御法から新しい主回路構成,センサレス制御,ソフトスイッチングを導入した高効率化手法を研究開発するとともに,UPS(無停電電源装置)やCT等の医療機器用電源,実験用電源装置などへの応用も行っている。

 ○GICを用いた電子回路モデルによるコンバータの三相電流復元とセンサレス制御

 温湿度変化の激しい屋外の使用や振動の多い劣悪な環境下で使用する電力変換器はゲイン不平衡等を含むセンサの故障が電力供給に大きな影響を与え,コスト削減と合わせてセンサレス制御化が望まれている。本研究は,GIC(Generalized Immittance Converter)を用いた電子回路モデルにより,直流電流センサのみで三相電流を簡単に復元し,三相電流センサレス正弦波コンバータを実現する手法を開発するとともに,本モデル手法による他のブリッジ形電力変換器のセンサレス制御への応用を検討することである。開発する三相電流復元手法はコンバータをインピーダンス等価変換し,制御回路の電力レベルで電子回路モデルを構成して三相電流を復元し,また,実機とモデルの各直流電流の差から実機とモデル間の使用素子パラメータ誤差を補償することで事前のスイッチング情報を必要とせず,また,復元困難期間もなく,復元電流の正確性を確保できる。
(参考文献:平成29年度電気関係学会東北支部連合大会2A08,科研費H28〜H30,16K06251)

○出力電圧に適した回路構成を有する入出力1線共通型電力変換器

 一般的な単相ブリッジ形電圧形電力変換器は,出力電圧の変化に関わらず一定の直流電圧を確保し,PWM制御等のスイッチング制御と出力フィルタにより高品質な出力電圧を供給している。スイッチング周波数の増加は損失と電磁ノイズを増加するが,出力フィルタの小形化を可能にする。一方,出力電圧に応じた直流電圧を確保するチョッパ回路や電源電圧を利用した出力制御は電力変換器の過度な変換負担を軽減し,効率の上昇とフィルタの小形化を達成できる。これより,本研究では出力電圧に適した回路構成に変形可能で,入出力の1線を共通とし安全性を高めた出力フィルタの小型化を可能にする電力変換器の開発を行い,シミュレーションと実験により開発を行っている。
(参考文献:平成29年度電気関係学会東北支部連合大会2A07)

○ロスレススナバを組み入れたインターリーブ式ソフトスイッチングPFC回路のセンサレス制御法

 小容量アクティブ整流器はロスレススナバと臨界モード制御の活用により比較的簡単な回路で構成できる反面,電流不連続による入力フィルタの大型化が課題であった。提案したインターリーブ方式ソフトスイッチングPFC 回路はこれらを改善できる一方で,ソフトスイッチング実現のためにセンサ数の増加が懸念されていた。本研究ではセンサレス制御の実現による高い安全動作性能の確保を実現する。
(参考文献:安東他 電気学会論文誌D, vol.135, No.12, pp1217−1224, 2015)

提供可能な設備・機器

名称・型番(メーカー)
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