アンテナの電磁界解析と最適化設計

顔写真

氏名
伊藤 桂一/ ITOH Keiichi
E-mail
itok@akita-nct.ac.jp
職名
教授
学位
博士(工学)
所属学会・協会
電子情報通信学会,日本AEM学会,日本シミュレーション学会,他
キーワード
導波管スロットアンテナ,誘電体レンズ,FDTD法,トポロジー最適化
技術相談
提供可能技術
・アンテナの電磁界解析
・最適化設計(トポロジー最適化)
・電波暗室を利用した放射パターン測定などのマイクロ波・ミリ波測定

研究内容

アンテナの最適化設計と主ビームの狭角化および広角化レンズの開発

 マイクロ波/ミリ波領域において導波管スロットアンテナを中心にアンテナの最適設計を行っています。遺伝的アルゴリズムなどの進化型計算手法を使った設計法を取り入れているため,新規アンテナでも設計指針を提案することができます【設計例1】。

 レンズの収束性という長所は活かしながら,アンテナを保護する小型の誘電体レンズ(レドームとしての役割もある)があれば,過酷な自然環境下でも使用できる高効率なアンテナを開発することができます。本研究ではアンテナおよびアンテナに装荷する誘電体レンズ(レドーム)の形状を最適設計する技術を開発することを目標としています。特に,誘電体レンズの形状を変えるだけでアンテナの特性を変えることができれば,一つのアンテナを多用途に使うことができます【設計例2】。

【設計例1 導波管スロットアンテナの設計】
 時間領域有限差分(FDTD)法と進化型計算手法の一つであるμGA(マイクロ遺伝的アルゴリズム)を組み合わせた設計手法を提案しています。図1に示すようにサイドローブ比20dBとなるように小型球形誘電体レンズ装荷導波管スロットアレーアンテナの低サイドローブ設計を行った結果,レンズの寸法を考慮に入れたビームフォーミングを実現しました(図1参照)。

【設計例2 誘電体レンズ形状のトポロジー最適化】
 誘電体レンズをアンテナに装荷することにより,主ビームのビーム幅を広く(広角化),または狭く(狭角化)する技術について研究しています。3次元トポロジー最適化を導入することにより,設計者の知見に依存しない誘電体レンズの形状設計が可能になります。正規化ガウス関数ネットワーク(NGnet)を用いることにより,従来よりも収束効果の高いレンズの設計ができます。複雑な構造ですが3Dプリンタによる試作も可能です(図2参照)。

提供可能な設備・機器

名称・型番(メーカー)
電波暗室 コンパクトレンジ(12GHz帯/76GHz帯共用)
放射パターン測定用回転台 放射分布測定用x-yスキャナ
電圧定在波比測定システム 3Dプリンタ(MUTOH社製,他)
ミリ波測定用コンポーネント(発振器,ハーモニックミキサ,他) -